国立台湾大学での講演と同時期に、台湾産婦人科医学会でも講演する機会をいただきました。今回の学会は年次総会と同じタイミングで開催されたため、会場は高雄マリオットホテルの600人近く収容可能な大ホールでした。
講演タイトルは、『我が子に提供精子で生まれたことを伝えながら育てる大切さ』とし、大きく2つのテーマについてお話ししました。(写真の下に記事は続きます↓)
1つ目は、告知の重要性です。子どもは成長とともに自分のルーツやアイデンティティへの理解を深めていきます。親が早い段階で告知することで、子どもの自己理解を促すことができます。また、正直に話すことで親子間の信頼関係を強化できます。子どもが後から知ると、親からの裏切りを感じる可能性があるため、事前に説明することが重要であることを自身(日本)の例を交えて説明しました。
2つ目は、告知の方法です。幼少期から情報を与え、子どもの理解力に応じて段階的に伝えることが効果的です。伝える内容は「血のつながりがない」ことだけではありません。子どもにとって安心・安全な「告知」とは何かについて、私や多くの無精子症家族が実践してきた内容を具体的にお伝えしました。
台湾の産婦人科医や法律研究者など多岐にわたる方々に聴講いただき、講演後には交流の機会も持つことができました。今後につながる関係を築いていきたいと思います。
さらに参加者からの感想として、提供精子で授かった子どもへの告知の重要性と必要性・具体的な告知方法について、実際のケーススタディを通して実践的に理解できたとの声をいただき、大変喜ばしく思っています。(終わり)