出版記念イベントに参加してきました 2025.07.19

『私は何者かを知りたい』出版記念イベントに参加して
7月19日(土)、明治学院大学にて開催された書籍『私は何者かを知りたい ― 匿名の精子提供を生きる』の出版記念イベントに、親として参加してまいりました。私自身、提供精子で子どもを授かり、日々親としての葛藤や喜びを感じながら暮らしています。この日は、さまざまな立場の当事者の声に直接耳を傾けられる貴重な機会でした。

「この本が生まれた意味」に触れて
この書籍は、精子提供で生まれた方々の切実な想いから始まった企画だと伺っています。私たち親にとっては、「生まれた側の声」と真正面から向き合うことは、時に痛みや戸惑いを伴います。しかし同時に、親としてどのようにこの家族のかたちを支えていくか、自らに問い直す機会にもなりました。

対面イベントだからこそ伝わったもの
このイベントは、オンラインではなく対面開催という形が選ばれていました。子どもを授かった親としては、直接その場にいて当事者の表情や声の震えを感じることができたのは、本当に大きなことでした。参加者は53名、スタッフや登壇者を含めると66名が集まり、会場は静かな熱気に包まれていました。

「生まれた人の声」を正面から受け止めて
私がこの日一番心に残っているのは、やはり精子提供で生まれた方々の発言です。文章として読んだことはあっても、本人の口から語られる想いは、まったく違う重みを持って胸に響きました。

親として耳が痛くなるような言葉も、いくつもありました。でも、だからこそ逃げずに聞きたいと思いました。会場にいた他の親御さんたちも、同じ気持ちだったのではないでしょうか。ある意味で自分自身の未整理な感情とも向き合う時間になりましたし、「正解」を出すのではなく、共に考える場であったと思います。

多様な立場からの発言が見せてくれた希望
今回の書籍には、「生まれた側」だけでなく、私たちのような「親の立場」、そして「精子提供をした側」の方々の声も含まれています。立場は異なっても、互いに知り、認め合い、次の世代により良いかたちを手渡そうとする気持ちは共通していました。

一昔前であれば、こうした対話はもっと難しかったかもしれません。でも今は、違いを越えて向き合い始めている。その変化を実感できたことも、このイベントの大きな収穫だったように思います。

子どもを授かった者として、「生まれてきてくれてありがとう」と心から思う一方で、その子が将来、出自についてどう受け止めるのか――常に不安や迷いもあります。でもだからこそ、こうした「声が交わる場」が必要なのだと、改めて感じました。

今後も、当事者同士が立場を越えて語り合えるような場が広がっていくことを、心から願っています。 (寺山竜生)

■書籍詳細■
『私は何者かを知りたい−匿名の精子提供を生きる』ドナーリンク・ジャパン編著
四六判 並製 280 ページ ISBN:978-4-7710-3971-1 定価:本体 2,500 円+税
書籍についての詳細は、以下の出版社のサイトからもご覧いただけます。
https://www.koyoshobo.co.jp/book/b662386.html (晃洋書房)

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